11.突発的な大音量を制限して音圧を稼ぐ。

最終更新: 2018年10月24日


大音量の中には突発的なものと継続的なものがあります。ここでは、SoundEngineを使って、突発的な大音量を制限し、音圧を稼ぐ方法を学びましょう。




音圧を上げることのメリット。


走行音では、音量差がかなり大きく、突発的な大音量を音割れしないように録音レベルを設定すると、どうしても全体の音量が小さくなってしまいます。したがって、相対的に音量の小さいモーターの起動音などが小さく聞こえ、どうしても物足りない感じがしてしまうのです。


音圧を上げあれれば、相対的に小さい音でも音量が大きくなるため、迫力が出ます。聴いていても痛快です。


また、貫通扉が勢いよく閉まる音などは、不快でそもそも耳によくありません。そういったものを除去すれば音量を上げても快適に聴くことができます。


音圧を上げることのデメリット。

デメリットとしては、音圧を高めすぎると余韻がなくなるので、透明感や風情がなくなるのと、さらに音圧を高めすぎると、音の歪みが出てくる点です。


飽和するほどに音圧を上げた走行音は、デメリットを吹き飛ばすほどに強烈な印象を残します。したがって、最初の頃はつい音圧を上げ過ぎたくなります。しかし、後から聴いて心地いいのは、金属的な残響音が聞き取れる程度に抑えた音圧です。最初は抑制的に音圧を上げていくようにしてください。


以上の長所・短所を踏まえた上で、適正に音圧の高めていきます。



【手順1】不快な部分をカット。


図のように、まるで針みたいに突き出たような波形が随所に現れています。針のような部分のすべてが不快で危険な大音量とは限りません。このなかから、不快で危険な大音量を見つけ、カットしたりリミッターをかけたりしていきます。


こういう不快で危険な大音量は、カットすることを優先した方がいいと思います。カットするとアナウンスが消えるなどの違和感が残る場合は、後述のリミッターを使った編集を行います。



【手順2】カットしなかった部分にリミッターをかける。


リミッターとは、簡単に言うと、ある音量以上の音を、自動的に一定以下に落としてくれる機能です。


コンプレッサーもリミッターと似たような効果が得られ、原理の違いを一般的に説明すると長くなるのですが、SoundEngineの効果の違いに着目していえば、リミッターはコンプレッサーよりも鋭敏に効果がかかると考えておいていいと思います。 走行音の場合は、リミッターのほうが使いやすいと思います。



リミッターの使用方法

いちばん大切なのは、スレッショルドです。スレッショルドで指定した音量以上の音を小さくしてくれます。試行錯誤の上、最適な音量になるように変化させます。


次に大切なのは、アタックとリリースです。アタックは最小値に、リリースは大きめの値にとっておくといいです。


ステレオリンクとレシオの値は、100%にしておきます。


音量とマキシマイズは0にしておきます。



耳に悪い大音量はかなり強めにリミッターをかける

貫通扉の閉まる大音量など、不快で危険なもので、カットできなかった場合は、歪んでもいいですから、-20db、-25dbなど、思い切って大きめの値を設定したほうがいいと思います。


該当する範囲を選択し、リミッターをかけます。なお、「選択範囲のみ」にチェックがかかっていることを確認して下さい。



【手順3】全体的にリミッターをかける


個々の大音量を処理したら、仕上げに、全体にリミッターをかけます。効果が大きすぎると音質が悪くなるので、余韻が残る程度、だいたい高速走行中のピークにかかるレベルのスレッショルド値に設定しましょう。「選択範囲のみ」のチェックが外されていることを確認して下さい。



効果をかけると、大音量がだいぶならされ、赤帯の部分に余裕が生まれました。この分だけ音量を増幅しても音割れがしなくなるわけですし、突発的な音量で不快になることもありません。








【手順4】ノーマライズで音量を最大限上げる


つぎに、ノーマライズで音量を上げてしまいましょう。ノイズがのらないギリギリの音量まで上げてくれます。すべて自動でやってくれるので、ワンクリックするだけでOKです。


結果が思わしくなければ、再度全体にリミッターをかけ、ノーマライズします。手順3と手順4を繰り返すことで、音割れさせずに音量をどんどん大きくできます。


どんどん音圧を高められるからといって、そのぶん使い過ぎると副作用を招きます。調子に乗ってリミッター・ノーマライズを何回も繰り返していると、余韻がなくなるなど、音質の劣化を招くことは前述しました。残響音を大切にしながら、効果をかけていきましょう。

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